札幌旅日記

梅雨時期に北海道に行くのは初めてではないが、その度に、東京との違いを感じる。湿度が低く気温も快適、空気と風に爽快さを満喫。
 
初日(7月4日)、新たにオープンした有名菓子店の六花亭・札幌本店。10階建のビル各階に、お菓子店舗、喫茶店、料理店など、そしてコンサートホール。
10日間のオープニングレセプションで連日クラシックコンサートなど、開店の前夜に北村英治コンサート。
ベース山口雄三さんと私によるトリオで、ご招待客満席。
いつもながら、北村さんのトークと演奏に拍手やまず、アンコールは「ボナセラ」。
 
仕事を終えた翌日はおまけで頂いた休日。
朝からぶらり散歩、大通公園へ行くと日曜で多くの人。すれ違うと、中国語、韓国語、その他アジア圏の方々、ここも外人さんが多い。
イメージ 3

有名な時計台を回って、ボランティアガイドのおじさんに写真撮ってもらい、1時間ほどの散歩、陽射しはちょっと暑いが汗もかかず快適。
イメージ 1
夜は六花亭7階「ふきのとうホール」で柳家小三治落語会。
師匠と北村さんとの長い交友と六花亭さんの御厚意で、ご招待頂いた。
イメージ 2

先ずは前座さん、柳家小かじさんの「真田小僧」、子供が父親を手玉にとっておこずかいをせしめる噺。
お次は真打、柳家三三(さんざ)師匠。落研も何も経験なしでいきなり小三治師匠に入門、”純粋培養”と言われるもキャリアを積んで中堅の風格あり。
演目は「そこつの釘」、引越しする夫婦、超そこつな亭主が展開する笑いどころ多い噺。
ここで仲入り(休憩)。
いよいよ、出囃子の「二上がり羯鼓」(お囃子も生)に乗って小三治師匠が登場。

かつて40代の師匠がバイク趣味で北海道をツーリングした話などから東京の話題に移って、電車の話から、馬喰町(ばくろちょう)とくれば、ははあ、「宿屋の富」だなとピンときた。

江戸の頃、馬喰町には宿屋が並んでいた。地方から出てきた男は金がないが、主が勘定を取に来ると、大金持ちだとほら話でごまかす。話しの流れでなけなしの金で富くじ(宝くじ)を買うはめになるが、それが千両に当って・・・。

まくらから本題まで1時間近くの口演ながら、「熱演」と言う言葉は相応しくない、「熱」など感じさせぬまま、面白話に笑い、すっと江戸落語の世界に引き込まれて時を忘れた。熱いものはこちらに残る、さすが名人芸の深み。
終わって北村さんが師匠の楽屋を訪ねるのに同行して、ごあいさつ。

演奏よりも落語のことばかりの旅日記となったが、落語という一人話芸の深さをあらためて感じ、まだその余韻が残る。

さて、そんな余韻を切り替えて、本日は「夏生れの仲間たち」リハーサル。
予約満席でキャンセル待ちとのことでありがたい。
お客様にとって余韻の賞味期限が長いコンサートにしたいと思う。