遠い世界と

祖母とその姉は明治時代に横浜に生まれ育ったが、米国でコックとして働く二人の日本人男性と縁があってそれぞれ姉妹で嫁いだ。
シアトルの近くのブレマートンという町に1923年から8年間滞在。

私が子供の頃に何度も聞いた話が「滞在中に映画がトーキーになった」。

それ以前はサイレント(音のない映画)でチャップリン映画をよく見たそうだが、トーキー(映画から音が出る)になった事が余程印象的な出来事だったのだろう。

現在のような長編でなかったので、映画と次の映画の合間に「アトラクション」というバンド演奏とダンスの実演があったそうだ。

幼い母は映画館から帰ると、テーブルに上がってダンスの真似事をしたそうだ。

20年代と言えばチャールストン大流行、ジャズも発展し始める頃、歌手アル・ジョルスンが大スターで若き作曲家ガーシュインが活躍著しい、そんな時代。

因みに歴史的トーキー第一作がアル・ジョルスンの「ジャズシンガー」だったとあるので、祖母たちもそれを見たのだろう。

ジャズという音楽をやっていて、何か自分の中で遠い世界とのつながりを感じる。

さて、遥か彼方から現実に戻って、本日は銀座「俺のフレンチ・ターブルタク」にソロ弾き語り出演。