同曲異詩

同名異曲ならぬ「同曲異詩」、メロディーは同じなのに歌詞もタイトルも違う曲の話。

子供の頃、兄が買った『パット・ブーン ハイスクールの思い出』というLPレコードがあって、その中の"Words"という歌が好きだった。
当時の米国人気歌手で、アレンジもいかにも60年代初頭のロッカバラード・サウンドだったが、邦題が「白銀の糸」と印刷されていた。

確か中学生の時だったか、そのタイトルを学校の音楽教科書に見つけて「えっ!?」と驚いた。
譜面を読むと確かに同じ曲だが、当時、学校の教科書にアメリカの流行歌などありえなかったので不思議に感じた。

学校授業でやった記憶もなく謎のままに50年が過ぎ、ふと思い出してネット検索したら分かった。

「白銀の糸」、原題"Silver threads among the gold"、19世紀に作曲された米国古曲で、♪年老いて金髪に白髪(白銀)が混じるようになったが、君への愛はいつまでも♪という歌詞。

一方、"Words"は、メロディーはほぼ同じだが歌詞は♪君への愛の言葉は全て真実♪と全く違う。
なので、邦題は「愛の言葉」とかが当たっていると思うが、もしそうだったら、私は今も「白銀の糸」の存在は知らなかった。

2曲の存在を知ったことは当時のレコード会社のお陰だが、「白銀の~」がそれほど知られた曲だったということか?・・・と、新たな謎をネット検索しても全く出てこなかった。