自主規制?

昨日、横浜「バーバーバー」に北村英治カルテット(山口雄三B、八城邦義Dr)で出演。

最近、北村さんの曲間トークが長いこともあるが、お客様は楽しんでくれている。
昨夜は「年取ると話しが長くなるので」と自主規制?されて短めのトークで演奏。

リクエストのメモを見て、「あぁ、『鈴懸の径』・・・、これ、亡くなった鈴木章治のことで、私もやらくなった曲なんです、申し訳ありませんがご勘弁を」と短いコメントで他の曲を。

「鈴懸の径」は戦時中の洋風歌謡曲で、戦後、昭和30年代にクラリネット鈴木章治さんのジャズアレンジで大ヒットした。

この曲の録音時のドラマー、原田イサムさんと以前ご一緒した折に伺った話。

「とにかく物凄いヒットで、当時ジャズ喫茶(現在のジャズライブの意味)に昼夜出てて、毎ステージやらないとお客が承知しないんだ。
だから日に何回も、それが毎日毎日、しばらく続いてねぇ、曲に恨みはないけど、正直”苦痛”だった。

僕はその後は一緒に活動しなかったからやらずに済んだけど、ショウちゃん(鈴木)は死ぬまでだったからなぁ・・・」。

ジャズは同じ曲をやっても日々アドリブやアレンジなど、全く同じということはなく、自己の想像性を加味するところが醍醐味だが、大ヒットしたことでレコードと同じアレンジでやらないとお客様が納得しないとなると、”苦痛”という表現になるだろう。

北村さんも、ヒットした本人が苦痛に思った曲はやらないことにした、という訳を昨夜は割愛、リクエストされた方がご理解されていたら幸いだが。