クラリネット好き

このところクラリネット奏者、谷口英治さんの話題が多いが、私の演奏家人生、クリネットとの縁が切れたことがなかった。

プロデビューがホテル・レストランで、バンドリーダーは西村さんと言うクラリネットとアルトサックス、時折歌も歌う方。

43年前になるが、流行洋楽、映画音楽、スタンダードジャズなど、傾向としては現在の私と何も変わらないが、当時「こういう音楽は、ホテルなど大人の社交場的な場所でのみ演奏するもので、若者としてはもっと難しくハードなジャズを勉強して表現すべき」と思っていた。

世間的にもスイングは過去の音楽という風潮が強く、ジャズといえばサックスやトランペットなどが主流、クラリネット昔流行った楽器という認識すらあった。

ホテルバンドの後は、キャバレー仕事などでクラリネットと離れた時期が2年ほどあって、25歳頃にクラリネットの小田洋司さんリーダーのバンドに、ここで初めて「スイングジャズ」というスタイルを知った。

以後は30代で花岡詠二さん、そして45歳の時、雲の上の人だった北村英治さんとの共演で現在に至っている。

これほど縁が続くのは、私が好むスイングスタイルにクラリネットが最も似合うことと、楽器の音色が好きなのだろう。

好きといっても自分で演奏したいは全く思わず、あくまでも自分がピアノを弾いてクラリネットでスイングすることが一番心地よい。

最高峰といわれる北村さんとの共演もまだまだ続くが、私よりひとまわり若い谷口さんとの共演のこれからにも期待を感じている。