スタンダード曲"Blue Berry Hill"は、元はカントリー曲だが、50年代のロックンローラー、ファッツ・ドミノがスローなブギのアレンジでヒット、その雰囲気で多くのアティストが録音している。
私も雰囲気はマネで自分風に弾き語っている。
ベースの譜面はジャズの常識的にコード進行のみで、演奏前に口頭で「ロックンロール風でシンプルに」と説明する。
お客受けが良いが、何かすっきりしない感はあって、先日、ベースの音を全て指定した譜面を作って、一昨日レギュラートリオのステージでやってみた。
ドラムとベースのサウンドがとても整理されて、ピアノ左手のブギのパターンとのマッチングが良く、「あ、このサウンドが欲しかった」だった。
10代の半ば過ぎ、ロック少年だった私はジャズに興味を持って、ギターやベースでマネてみた。
しかしながら、ギターは覚えたコードのおさえ方だとサウンドがまるで違うし、ベースは4ビートの音使いがまるで分からない、とてつもなく複雑で難しく感じた。
結局ピアノに落ち着いての今。
私の経験からすると、ロックンロール風ベースラインはごく初心者でも弾けるので、プロのジャズベーシストにはあまりにも簡単なことと思ったが、これが違っていた。
かえってシンプルな音使いというのは譜面に指定した方が理想のサウンドが得られる、「そんなこと当たり前だろ、今更かい」と、自分で突っ込んだ。