音楽と政治

昨日ブログに、韓国からいらした親子が日本のヒット曲を通じて日本が好きになった話題を書いた。

音楽の国越えた貢献を感じる良い話だったが、これと反対の残念な思い出がある。

 

2000年に中国上海で地元出身の二胡奏者チェンミンさんの帰国コンサートがあったが、日本を発つひと月ほど前に、現地から中国曲「夜来香」「何日君再来」の自粛要請があった。

この2曲は日中戦争時代に中国で作詞作曲されて日本でも大ヒットしたが、戦後本国で政府による文化統制のひとつとして禁止となる。

1980年頃に台湾のテレサ・テンリバイバルヒットし、中国でも改革開放の波に押されて政府も黙認する形で庶民に浸透して行った。

 

それから20年も経てなお私たちの公演での自粛、「日本人が演奏することで戦時中の記憶が蘇る世代への配慮」と聞いて複雑で残念な思いだった。

2014年に私のカルテットによる台北公演では問題なく大うけに受けたが、音楽も政治がからむと難しい。

 

ジャズは米国生まれではあるが世界中に浸透しているのは、地域色が濃くないこともあるかと思う。

アジア、イタリア、ロシアなど、音楽に地域を感じる楽しみもあれば、グロバールに漠然とお洒落で心地よいのがジャズ・・・と言うと手前味噌になるか。

 

さて本日は銀座「俺のフレンチ銀座コリドー街」にソロ出演。

 

10月ー11月スケジュール