ブログに度々登場する「リンゴの木の下で」”In the shade of the old apple tree”は、1905年作の米国曲で、日本では昭和12年、ディック・ミネさんの日本語による歌唱でヒットしたそうだ。
子供の頃に祖母につきあってテレビのナツメロ番組をよく観た。
戦前から戦後にかけての歌手ばかり、私が10歳だったとしてお年を調べてみると、東海林太郎さん68歳、藤山一郎さん54歳、ディックさんは47歳だった。
ビートルズ人気沸騰の時代にあってとてもお古く感じたが、今でもイントロから歌詞も覚えている曲も多く、どこか馴染んでいたんだと思う。
「リンゴ」も日本語でしか聴いたことがなかったから、私には日本のナツメロのひとつだった。
ジャズ演奏家となっても、お年寄り向けナツメロに変わりなかったが、谷啓さんや二胡のチェン・ミンさんとの共演で頻繁にやるようになって、徐々に私のイメージも変化していった。
6年前(2014年)、北村英治さんと三越劇場の「昭和ジャズ黄金期」出演で英語と日本語で弾き語ることになった。
以後、北村さんライブでもやるようになったがお客様は中高年世代、若い方はどうだろうとは思っていた。
2年ほど前、若いお客様ばかりの「俺の」シリーズで試しにソロで弾き語ったら受けて、「あの曲はなんていうんですか」などと聞かれることも。
若い方は初めて聴いて新鮮に楽しんでくれるわけで、今やこれを「ナツメロ」と感じるのは年寄りだけなんだなぁ。