昨日ブログにドラムのトラ(臨時代演)がギターだった話を書いたが、ドラムならドラム、ベースならベースと同じ楽器が基本だ。
「来月〇日空いてませんか」と問合せが来て、既に仕事を入れていても条件などによって「行きます」と受ける、入っていた仕事に穴は開けられないからトラを探す。
原則的には最初に入れた仕事優先だがトラが許されることが多く、若手の頃は仲間内でのやりとりも頻繁だった。
知り合いばかりでなく、全く知らない演奏家から「〇〇さんの紹介で」と電話もらって全く知らない場所へ行くこともあって、そこで縁が出来て仕事が広がることはままあった。
トラ探しに苦労する時もあって、皆さん忙しくて空いてない、焦って紹介してもらった知らないピアニストに頼み後でクレームということもあった。
トラは通常レギュラーが休むところに行くことが多いが、行ってみたらバンド全員トラだったとか、頼んだトラがまたトラを入れてたなんてこともあった。
それほど演奏する人も場所も多かった時代だったが、優れた演奏家に呼ばれることが何より嬉しい。
2000年秋に北村英治さんのトラが入った時も期待と緊張を持って行った。
一度きりのトラだと思ったが、実はそれまでのレギュラーピアニストが辞めて3~4人のピアニストがトラとして来ており、翌月以降も1~2回呼ばれた。
その年が暮れると翌年から回数が増え、地方の仕事も頂くようになって初めて「あ、私ってトラじゃなくてレギュラーか」だった。