映画と音楽32-ムーンリバー

昨日書いたナイアガラ観光の後ニューヨークへと移動、ツアーバス五番街ティファニー本店前を通った。
今様のキラキラしたブランドショップとは対照的に歴史を感じる地味な建物だったが、映画「ティファニーで朝食を」(1961)のファーストシーンとほぼ変わりないたたずまいに感激。

テーマ曲「ムーンリバー」はヘンリー・マンシーニ作曲、駆け出し時分から演奏して50代半ば頃に弾き語りで歌い始めたが、歌詞が難解だった。


ムーンリバーは1マイル余り、いつか超えよう
夢を生んでくれて、失望だってもたらす
曲がりくねった先に夢があるかも
ムーンリバーと私、ずっと一緒に♪

 

ムーンリバーって何?と調べると、作詞者ジョニー・マーサーはジョージア州の田舎に育ち、家のそばにバックリバーという大きな川が流れていた。

ニューヨークに出て世界的作詞家となる人生を大河に重ねたのだろう、それは映画でオードリー・ヘップバーンが演じた夢を追いかけて都会に住む女性にも重なるように思う。

「夢も失望も、見えぬ先の希望を信じて己の人生とうまくつきあって行こう」

これが教訓じみて聞こえず優しく寄り添うように感じるのは、さりげなく美しいメロディーの素晴らしさか。
映画会社社長がヘップバーンの歌が素人っぽいからカットとの意見を、ヘップバーンと作曲者マンシーニが猛反対し撤回させたという、結果として後世に残る名作となった。

 

ジョニー・マーサーの言葉「川の名前は何でも良かったが、あれこれ考えた結果誰も使っていないムーンリバーになった」、以来、故郷のバックリバーは「ムーンリバー」と表示されているそうだ。米国のサイトに写真あり→こちら