映画と音楽59-ジャズ映画花盛り

1950年代はジャズ映画花盛り。

「グレンミラー物語」(1954)、グレン・ミラーの若者時代から終戦間際に飛行機で行方不明になるまでを描いている。

主演ジェームス・スチュアートで妻役ジューン・アリソン、このコンビは映画「戦略空軍命令」でも夫婦役してた。
中高生テレビで観たが、上京してまもない1974年頃に都内の名画座で「カサブランカ」と二本立て300円。
ビデオ時代になって見直すと、ミラーが「ムーンライトセレナーデ」の作曲で勢いよく記譜するシーンに薄い下書きが見えた。

一番好きなシーンは、第二次世界大戦の慰問演奏でヨーロッパに、軍用機格納庫での「チャタヌガーチューチュー」で、フランセス・ラングフォードとモダネアーズが歌うシーン。

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その2年後に制作された「ベニー・グッドマン物語」(1956)。
主演スティーブ・アレン、アメリカではテレビ・ラジオの有名人だったらしい、マルチタレントでスタンダード曲 "This Could Be the Start of Something"も作曲。

少年グッドマンはクラシックのクラリネットをドイツ人の先生に習っていて「ブンダバー!」(素晴らしい)と褒められる腕前、ある日「ジャズの仕事をもらったから今日でやめます」と言うと先生「それはないだろう!」"Don't Be That Way"。
このフレーズはこの後も新たな決断をする度に周囲から言われる。
やがて楽団結成し各地ツアーで苦労、あるボールルーム(ダンス会場)で聴衆がダンスをやめて演奏に聴き入りステージに詰め寄る大成功、このセットが「グレンミラー物語」でも使われていた。

後半、カーネギーホール・コンサートが迫ってグッドマンは新曲のタイトルに悩む、「そうだ、決断の度に言われて来たあの言葉」と、"Don't Be That Way"邦題「その手はないよ」。
映画用の脚色と思いながらも上手い運びだなあと思った。

話は長くなりそうなので明日続けます。