映画と音楽73-アヴァロン

銀座「スイング」のブッキングは店の担当者にお任せで、今月末はギター、そしてヴァイブラホン(以下ヴァイブと略)、この楽器は4~5年ぶりの共演。

 

映画「ベニーグッドマン物語」で、グッドマン一行がツアーでカリフォルニアのレストランに、ウエイターがコックも兼任、更に食事を始めると小さなステージにヴァイをブ押して登場し「アヴァロン」"Avalon"の演奏を始める。

名ヴァイブ奏者ライオネル・ハンプトンが本人役で、一行が飛入り共演し意気投合するシーン。

 

"Avalon"は映画「カサブランカ」でも登場した。
大きなカフェの経営者リック(ハンフリー・ボガード)は、恋の苦しみが蘇る曲「時の過ぎゆくまま」"As Time Goea By"の演奏を禁じていた。
そのかつての恋人(イングリット・バーグマン)が店に現れ、ピアニストに「久しぶりね、懐かしい曲を弾いて」と。
ピアニストは驚きながら"Avalon"を弾き始めると「その曲じゃなくて」と「時の過ぎゆく~」を口ずさみ、仕方なく弾き語る。

耳にしたリックが「その曲はやるなと言ったろ」と、そこで女性に気付く。

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「その曲はやるな」は実際にあった。
20年余り前に銀座のある店、オーナーは4ビートジャズが心底好きだったが、女性歌手がビートルズカーペンターズなど8ビートポップスを歌うのが気に入らず「8ビート禁止令」を発令し文書をピアノに貼った。
『当店で8ビートを演奏した場合、曲数に応じて出演料から差し引きます』
稀に成り行きで違反はあったが犠牲者が出た話は聞いておらず、禁止令その後解除された。