映画と音楽96-貨物列車

30年代の曲「ムーングロウ」はベニー・グッドマンの名演で知られ、クラリネット奏者に好まれる。
私は若い頃にコーラスで歌ったことがあるが、前半メロディーはラ・ド・ミ、3音だけで構成された同じメロディーの繰り返し、なのにコードが変わることで色の変化を感じるのは見事。
この曲が映画「ピクニック」"Picnic"(1955)に使われた。
貨物列車に乗って田舎町に来た男(ウイリアムホールデン)、恋仲になる女性(キム・ノヴァク)が祭りの夜にバンド演奏「ムーングロウ」で踊る姿が妖艶だった。

 

貨物列車の流れ者はアメリカの映画によく登場する、つまり無賃乗車だ。
1930年代の大不況で仕事を求め貨物列車で放浪する人をホーボーと呼んだ。
映画「北国の帝王」"Emperor Of The North"(1973)、ある路線の車掌(アーネスト・ボグナイン)はホーボーを見つけると情け容赦なく命も奪う、これに挑むのが北国の帝王と呼ばれる男(リー・マービン)。

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この映画を知る前の中高生時代に「ホーボーソング」という言葉を耳にした。
60年代フォークのウディー・ガスリーと息子アロー・ガスリーやボブ・ディランが取り上げていたが意味は分かっていなかった。
アロー・ガスリー主演映画「アリスのレストラン」(1969)は、ビートルズ「レット・イット・ビー」の同時上映だった。

淡々としたドキュメント風に描かれたヒッピーなど社会規範に馴染めない若者たち、放浪のホーボーに響き合うものがあったと今は思える。リアル青春の懐かしさ。

 

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