映画と音楽114-ヴィシーの水

昨日「俺のフレンチ横浜」出演、横浜駅から徒歩7~8分の行きも帰りも10~20代の若者で溢れる中を身を硬くして歩いた。

帰路電車も混む首都圏の状況に経済と感染防止両立の難しさを痛感しつつ、私も活動自粛して完全家籠り出来ぬジレンマ。

本日は銀座 俺のフレンチ東京」/俺のイタリアン東京」にソロ出演。

 

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映画と音楽114-ヴィシーの水
映画「カサブランカ」は第二次大戦中の1942年の制作、若い頃は歴史的背景も知らずボギーのカッコ良さと「時の過ぎゆくまま」"As Time Goes By"などのジャズに魅了されたが、後年、抗ナチが強い映画と知る。

 

フランスがドイツ軍に侵攻され時の政権がナチスに協力、パリから中部ヴィシーに首都移転し「ヴィシー政権」となる。

フランス領カサブランカは亡命者の経由地でヴィシーの警察が目を光らせる。映画のルノー署長もナチ協力の立場であるが、食わせ物。

来訪したドイツ軍少佐を署長が歓待し人気の酒場へ、オーナーのリック(ハンフリー・ボガード)はアメリカ人だが中立主義者。
非合法で手に入れた通行許可証を持った男が店に現れ、警察に追われ外に逃げ出し射殺、倒れた壁にヴィシー首相ペダンのポスター、強い批判表現。

 

店でドイツ軍人たちが歌い出すと、対抗したフランス人が「ラ・マルセーズ」を歌い出す、ドイツ軍人も負けじと歌うが、共感する客の大合唱、酔ってリックにからんだ女性(マデリーン・ルポー)も涙顔で歌う、フランス出身女優で真実の涙だろうか。
ドイツ軍人は退散、音楽で抵抗するシーン。

 

過ぎた恋も絡んで話が展開、中立のはずだったリックがレジスタンス大物亡命を助け霧の空港へ、追ってきたドイツ少佐を射殺。

同行したルノー署長は知りながら見逃しミネラルウォーターを飲む、ボトルのラベル「ヴィシーの水」を見てごみ箱に捨て足で蹴り、リックと霧の中へ消える。
徹底したナチスヴィシー政権批判。

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当時日本がドイツ同盟国だったことを思えば複雑だが、それもこれも置いといてロマンスとジャズに彩られた映画として楽しめるのはありがたい。