話の続きで2000年当時の北京風景。
有名繁華街「王府井」は真新しい「東方新天地」「新東安市場」などの大型商業施設に若々しい今を感じる一方で、すぐ脇の路地は夜になると暗く古風な建物も残っていた。
通りかかった洋品店は、子供の頃こんな店にあんなおばちゃんがいたなと不思議な懐かしさ。
中心から近い街角の惣菜店で上半身はだかのおじさんが豆腐を買い、洋菓子店では松に鶴が描かれたケーキ、商店の照明もやや暗め、「胡同」(伝統的主民住居地)では中国将棋をさす大人を子供や近所の人が取り囲んで見ている・・・昭和にタイムスリップしたような風景が随所に見られた。
当時地下鉄は2路線のみで料金一律3元(39円)、上海は自動化されていたが北京は窓口で人数を告げてチケットを購入。
男性の後ろに並び順番で買おうとしたら、いきなり脇から手が出て割り込まれた。
順番ルールがないことを知って、人の脇で待ち前の客がチケットを受取り手を引く瞬間に窓口に手を突っ込んで「二人!」と買った。
ほぼ同時に手を出した人より一瞬早かった私「勝った!」、郷に入ればも面白かった。
改札はなく係員(女性が多い)がチケットをもぎってホームに降りる。
整列の習慣はなく混雑時も群れて乗車、優先席はあって妊娠中の女性に譲る若者もいた。真冬は夕刊売りや笛を吹いて物乞いする人など日本であり得ない風景も。
続く。
2000年の地下鉄切符、かつての東京都電も同じような薄っぺらな紙だった。