台本6―ジャグリング

大阪での休演日、地元情報誌で老舗ジャズライブ「ロイヤルホース」に北村英治さん来演を知り竹花くんを誘った。
過去1~2度共演しただけの憧れの人、ご挨拶して地元メンバーとのセッションを拝聴。共演ミュージシャンが羨ましく、この4年後にレギュラーピアニストとなることは想像もしなかった。

 

マチネ(昼公演)のみの日に尾藤イサオさんから夕食のお誘いを受けた。
聞いてみたかった話が、1966年ビートルズ武道館公演の前座出演。
「あの時ね、ビートルズに会えると思ってユウヤちゃん(内田裕也)とプレゼントを用意たんだけど、裏の通路はがっちりガードされててね、かなり粘ったけどダメ。
仕方なく警備員に”これ渡しといて”って頼んだけど、あれどうなったか・・・」
ご両親も芸事に関係していたそうで、10代で曲芸師の内弟子となり日本の伝統文化としてアメリカ公演に行き、チャビー・チェッカー(ロックンロール歌手)に衝撃を受け帰国し歌手デビュー。
この舞台でジャグリング(玉やナイフを空中に投げる曲芸)を披露する場面があって連日稽古されていた。

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稽古といえば、大阪のホテル暮らしでピアノ練習不足が気になりある朝早く劇場入り。
誰も来ない内にと思ったら、既に尾藤さんが楽屋でダンベル・トレーニングに汗。
「お早いですね」と声をかけると「私も若くないからこうしてなんとかね」
当時63歳、その姿にまたも感心させられた。