昨年7月に福井Uターンした直後は地元演奏家の知り合いはごくわずかで、ライブでのベースは富山県の岡本勝之さんにお願いしてきた。
旧知の仲で曲もよく御存知、譜面なくともリクエストに応えられる頼もしさありだが、せっかく帰郷して地元演奏者と共演したい気持ちはあった。
福井市のアルトサックス奏者白井淳夫さんが東京からUターンしたのは40年程前、一般的なジャズのイメージは「難しい訳の分からない音楽」だった。
それは全国的な風潮で昨今のように飲食店BGMで流れることもなく、誰もが聴いて楽しい大衆性を否定した価値観を好むジャズファンは多かった。
それを大きく変えたのは白井さんの素晴らしい音と情熱、ジャズを身近に引き寄せ多くの人に刺激を与えた。
乾いた土地が水で潤され緑が芽吹くような、そんな風景を東京から帰省の度に目の当たりにしてきた。
時代を経て帰郷した私がその功績に及ぶべくもないが、とりあえず先に依頼されたライブを地元共演者にお願いした。
ベース今井さん、ドラム・タクさん、お二人は昨年白井さんリーダーの演奏で出会い信頼を寄せた。
新たな期待を抱き、私のアレンジを演奏してもらう課題に向けて資料作りを始めた。