明日は月いちジャズ講座、今月の課題曲は "You'd Be So Nice To Come Home To"
この曲、若手時分にやたら流行った。
45年ほど前に腕時計テレビCMで「ヘレン・メリル&クリフォード・ブラウン」の録音が使われて毎夜ライブでリクエスト、女性ヴォーカルはこれ歌わないと商売にならないほど。
ヘレン・メリルのハスキーヴォイスが印象強いお客が多く、クリヤーな声の歌手に対し
「君の声はきれいだがジャズ向きでない、もっとタバコ吸って酒飲んだ方が良い」
更に「もっと男を知らないとジャズは歌えない」、今ならセクハラだろう。
言われた女性歌手、ステージ終えて「大きなお世話だよ!」と勝ち気な人もいれば、「私の声ってダメなんですかねぇ」と悩む人もいた。
楽器でも歌でも試行錯誤して自己表現を磨いてゆく、それは自分が一番好きで美しいと思う音、声を目指すこと。
昭和のジャズお客、酔客の戯言もあれば存外的を射た意見もあった、この1曲でそんなことを思い出す。