適材適所

昨日のブログに、私はポップスの歌伴(歌の伴奏)なども楽しいと書いたが、過去、「ある音楽以外の演奏はしたくない」という人も何人かいた。

音楽への個人的な考え方だからそれはそれで良いのだが、共演となるとしんどいこともあった。

既に30年も前、私よりは数年若いベーシストとデュオであるライブに出ていた。
ジャズを何曲か演奏した後、歌手がカーペンターズの「スーパースター」を。

ピアノソロでイントロを弾いて、歌に入ったところでベースが8ビートを弾く、と、思ったら、頭の音を延ばすだけで全くリズムにならない。

仕方なくピアノの低音で8ビートのパターンを弾いて誘いをかけるも、反応なし。

演奏後に、本人に「曲を知らなかったの?」と聞いたら、「知ってたけど、僕はジャズしかやりたくないので」という返答。

個人的な音楽性は尊重するが「じゃ、何でこの出演を受けたの?」と、言いたかったが言わなかった。

以後、そのべーシストとは共演しなかったが、演奏家はそれぞれ自己の音楽に強い思いがあるから、それぞれに合う者同士がバンドを組み、それぞれに合う場に出演、必然的に適材適所なわけだ。