大型店舗の大きなステージに一人で6回ステージもすっかり慣れた。
ランチはお客様の反応も良かったが、ディナータイムになって、曲毎の拍手は静か目で、ラスト曲終えてピアノから立つと拍手大きく、お客様の笑顔で喜んでいるのが分かる。
よく噺家さんが、「高座に上がって『待ってました!』の声は嬉しいもんですが、これが下がる時だといけません」と言うが、まさか、あの拍手と笑顔はそうではなかろう。
こっちにすれば「だったら曲の間にもっと拍手してよ」であるが、まぁ、広さ故にお客様との距離もあり、そういうこともあるだろう。
系列店舗の控室には日報ノートがあって、その日の演奏曲とコメントを書くことになっている。
コメントには若手出演者の方々がお客様の反応に一喜一憂する姿がつづられている。
演奏家は日々の練習によって出来不出来の落差はさほどないはずだが、お客様の反応の良し悪しで、自己メンタルの高低差は人が思うよりもうんと大きい。
私も以前はかなりあったが、最近は「一憂」はかなり底上げされたので、コメントには「一喜」ばかりを書くことにしている。
決して己の芸に慢心している訳では決ないのだが、年のせいで少しはずうずうしくなったからか。